お金としあわせの関係
こんにちは。
心理カウンセラーのココロノです。
お金があればしあわせになれるのか?ということについて考えてみたいと思います。
もしお金があればしあわせになれるというのが事実なら、収入が高い職業の方はしあわせだということになりますよね。
例えば、医者、弁護士、人気芸能人、海外ではセレブと言われる人々などがいます。
この方達は全員しあわせな暮らしをしているでしょうか?
おそらく違うと思います。
貧乏だとしあわせになれないというなら、今までの人間の歴史上ほとんどの一般市民はしあわせじゃなかったということになってしまいます。
昔も今と変わらず貧富の差は激しく、フランス革命の時は市民はパンも食べられず、江戸時代にも米を求めた農民が百姓一揆を起こしたりしています。
食事もできないほど貧しい人たちが歴史上にはたくさんいました。
では、その貧しい人たちは全員不幸だと思って毎日暮らしていたのか?
これもおそらく違うと思います。
江戸時代に黒船がやってきて日本が開国したことはご存知だと思いますが、そのときに海外から日本に来た人々が日本人の生活について多くの記録を残しています。
・日本人はいつもにこにこしている
・貧しくても助け合って楽しんで暮らしている
・どんなに田舎の貧しい家でもきれいに整頓されている
・貧しくても身なりは清潔できちんとしている
・貧しくても自分たち(海外の人々)にお茶や食べ物を振る舞ってくれる
このような記述がたくさん見られます。
この記述からもわかるように、貧しい農民でも助け合い、楽しくしあわせに暮らしていたのです。
幕府に年貢を取られて自分たちが食べるお米がなくても、贅沢品など1つも持っていなくても、人間はしあわせに暮らすことが出来ることを証明しています。
もちろん昔の日本だけではありません。
現代でもお金がない国はたくさんあります。山奥で自給自足の生活を送る民族もいます。
その人たちが、お金がないからという理由で全員不幸な暮らしをしているわけではないですよね。
貧乏と不幸はイコールではなく、同じようにお金があることとしあわせもイコールではありません。
ではなぜ日本人はお金がないのは不幸、お金があればしあわせだと感じてしまうのでしょうか?
原因は1つではありませんが、周囲との比較は大きな原因になっていると思います。
・〇〇さんはマイホームを持っているのに自分は賃貸マンションに住んでいる
・〇〇さんはベンツに乗っているのに自分は中古車
・〇〇さんは高級レストランで食事をしているのに自分はファミレス
・〇〇さんは高価なブランドのバッグを持っているのに自分はユニクロ
このように人と比べることで劣等感を感じ、お金があれば自分もしあわせな暮らしができるのに...と思ってしまうことはありませんか?
ですが、上の例の〇〇さんがしているのは「贅沢な」暮らしであって、「しあわせな」暮らしではありません。
お金があってできることは「贅沢」です。高級なものを高額なお金を払って手に入れることができるというだけです。
高価なものを手に入れることが人間にとってのしあわせだと思いますか?
手に入れた瞬間は嬉しいかもしれません。今まで手が届かなかったような高級品が自分のものになった喜びはあると思います。
ただそれは「しあわせ」ではなく「達成感」や「優越感」です。
ここが混ざってしまうと、高級品を持っていればしあわせだという間違った思考になってしまいます。
高額なお金を払って得られるものは「達成感」や「優越感」であり、その感情はすぐになくなります。更に上の人たちがいるからです。
日本一の大富豪になったとしても、世界にはもっとお金を持った大富豪がたくさんいます。
自分より上の人がいることがわかると「優越感」はすぐに「劣等感」に変わってしまいます。
欲を持つとキリがないのはそのせいでもあります。世界一にならない限りは「優越感」をキープすることはできません。
少し違う角度からもいくつか例を出して考えてみましょう。
歌の歌詞や映画のテーマやメッセージとして「当たり前の毎日がしあわせ」「大切な人と一緒にいられることがしあわせ」というのはよくあると思います。
「お金持ちになれてしあわせ」というものはあるでしょうか?
歌や映画などのメッセージは真実でなければ人のこころには届きません。真実でないメッセージでは人は感動して涙を流すことはできないと思います。
シンデレラのようなおとぎ話で、貧しい少女が王子様と結婚してしあわせになるというストーリーがあります。
シンデレラは王子様がお金持ちだったからしあわせに暮らしたのでしょうか。
その王子様が冷たく意地悪な性格でも、お金があればしあわせに暮らせるでしょうか。
違いますよね。
また、日本は災害が多い国です。
わたしが生きてきた数十年でも大きな災害がいくつも起こっています。
悲しいニュースを見るたびに、家族や大切な人たちが生きていて、暖かく暮らせる家があること、温かいごはんが食べられることがしあわせなんだと改めて感じます。
災害が起こることは悲しいことですが、普通に暮らしていては気づけないようなことに気づかせてくれることがあります。
この当たり前の暮らしがしあわせだという感覚を持てるようになると、毎日の生活がしあわせになります。
自分の周りの大切な人たちが生きていてくれることは当たり前ではありません。事故や災害、病気などで突然命を奪われることもあります。
平和な日常生活を当たり前だと思わずに、大切に感謝して暮らすことでしあわせな生活が手に入ります。
お金で得られる贅沢や優越感と、本当のしあわせを間違えないようにしましょう。